草祭

lazy

2009年03月02日 20:12

自分的に色々あった2月も終わり、3月で御座います。
3月も色々ある予定なのでアレですが、昨日ひっさびさに本読みました。

草祭』恒川光太郎
「俺、もう少ししたらここから出ていくぜ。でも、それはおまえらの世界じゃない」ざわざわと風が騒ぐ幻の草原。ぼくの友達はそこで、静かな金色の瞳をした獣になった。怒りも悲しみも静かに朽ちてゆく不思議な場所、美奥が紡ぐ死と再生の物語。


今回の紹介文は、あまぞんさんではなく、単行本帯から。この帯すっごい上手いと思うんですよね。
是非に書店で見ていただきたいと思うのですが、「」内が大きなフォント、以降”獣になった”までが小さくリードで入って、右スペースの空いたところに罫線で囲って残りの文章が入ってます。これ考えたひとに拍手を送りたい。
前々から「欲しいなあ」とは思っていたものの、前作が積読ってたので「前作読んだら・・・」と買わずに居たのですが、週末に初めてこの帯をちゃんと読んでみたところ、気付いたら自宅でレジ袋(で良いのかなあれ)から取り出してました。米買おうと思ってた金が見事に単行本に化けたよ。気にしないけどね。お米がなければお菓子を食べれば良いもの・・・

で、本作も相変わらず淡々と静かに物語が展開していきます。まさに「怒りも悲しみも静かに朽ちてゆく不思議な場所、美奥が紡ぐ死と再生の物語。」。連作(?)短編で、現代・過去と時代設定が違ったりするのに、違和感を覚えず訥々と語られる物語が心地良い1冊。
派手な見せ場や激動の展開が好きな人には微妙かと思いますが、静かな話が好きな人にはおすすめ。
周りの音を遮断して、静かな空間でゆっくり腰を据えて読むのにおすすめ。

関連記事